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RODEO HYDRAULICS の日常を、ゆるく、時にはツッコミを交えながら書いています。
作業中のハプニングや、クラシックアメ車ならではのクセ、「なんでこうなるんだ…」というアメ車あるある、そしてお客様とのやり取りや、ありがたい差し入れの話まで、工場の空気をそのまま感じていただけるブログです。
アメ車だけでなく、国産車や他ジャンルの車が登場することもありますが、どの車にも共通しているのは、“触っていて楽しい”“つい笑ってしまう” という RODEO らしい視点。
ちょっとした裏話やぼやきも含めて、気軽に楽しんでいただければ嬉しいです。
2026/09/15(Tue)
時々ブログ N様アストロ商談記パート11 その後
どうも交換マンです!
N様アストロ、納車後しばらく乗っていただき、ご都合の良いタイミングで
納車時に急にリヤエアコンの風と冷気が出なくなった症状の改善 を行います。
まず「風が出なくなった原因」ですが、
リヤのダクトボックス内部の箱(フラップ)が何かの拍子で外れてしまい、
風が箱に当たって出口まで届かない状態 になっていました。
風が出ている様子って写真だと伝わりづらいので、
ティッシュをリヤエアコンの吹き出し口に当てて“ひらひら”させてみました。
これなら「おっ、ちゃんと風出てるな」と一発で分かると思います。
そして、リヤのエキスパンションバルブを新品へ交換いたします。
リヤ側はフロントと違い“オリフィスではなくエキパン方式”なので、
ここが詰まると冷媒の流れが一気に悪くなり、冷えが落ちる原因になります。
今回の個体も、内部の汚れと作動不良が確認できましたので、
リヤエアコン本来の冷えを取り戻すために交換作業を実施しました。
そして元のエキパンを外しますが、
まず周りについている“粘土みたいなやつ”、
これは ブチルゴム と呼ばれる部材で、
冷媒配管の結露防止と断熱のために巻かれています。
このブチルを 粘土遊びスタイルで削除していきます。
指先で形を崩しながら剥がしていく、
交換マン手がベタベタ・・・
交換マン
エキスパンションバルブの先端についている棒状の部分、
正式名称は 感温エレメントといいます。
この感温エレメントをエバポレーター出口に巻き付けて固定する作業中、
まさかの――
パキッ。
……はい、割れました。
人生初の 感温エレメント破壊イベント 発生です。
自分でやっておきながら「は!?なんで!?」と声が出るレベルでドキドキ。
もちろん、こうなると もう使えません。
内部の作動ガスが抜けてしまうため、
温度を検知する機能が完全に失われます。
つまり感温エレメントは
“中にガスが入った密閉式の温度センサー” なので、
先端が割れる=中身が漏れる=
エキパンが一切制御できなくなる → 冷えない or 凍る → 終了。
という、非常にシンプルで残酷な構造。
というわけで、
ここは潔く 再注文・全開モードで即対応!
交換マン、今日もまたひとつ経験値を積みました。
そして交換マン、再度“粘土遊び感覚”で
新しいエキスパンションバルブに タイシーラント を塗り付けていきます。
「えっ!ブチルゴムじゃないの?」
という声が聞こえてきそうですが――
ハイ!タイシーラントでも冷媒配管まわりは問題ありません!
施工行為も材料選択も 間違っていません。
なぜブチルじゃなくても良いのか
エキパンの感温エレメントを配管に密着させる目的はただ一つ。
配管温度を正確に拾わせるための“断熱・密着”処理
つまり必要なのは
・外気の熱を遮断する
・感温エレメントと配管の隙間を埋める
・温度誤差をなくす
この3つ。
ここが満たされれば、
ブチルゴムでもタイシーラントでも機能は同じ。
タイシーラントは
柔らかく成形しやすい
密着性が高い
断熱性がある
剥がれにくい、ブチルももちろん剝がれにくいですよ。
という理由で、
感温エレメントの固定材として十分適正。
塗り付ける理由
感温エレメントは“温度センサー”。
配管の温度を正確に読むためには、
配管にピッタリ密着していないと意味がない。
そのために
隙間を埋める → 外気を遮断する → 温度を正確に拾う
この3ステップを達成するためにタイシーラントを使う。
つまり、
タイシーラントは“温度の封印”と言えばイメージ伝わりますかね。
エキスパンションバルブを交換したので、
続いて フロント側のオリフィスも交換マンします!
外してみると――
意外と汚れていました。
細かな金属粉やオイル汚れがしっかり詰まっていて、
「これは交換して正解だな」と思える状態。
なぜオリフィスも交換するのか
オリフィスは
冷媒を細い穴で絞って霧化させる“簡易エキパン” の役割を持つ部品。
構造がシンプルなぶん、
汚れ
コンプレッサー摩耗粉
オイル劣化物
が 真っ先に詰まりやすい。
詰まるとどうなるかというと、
冷媒流量が不安定
冷えたり冷えなかったりの気まぐれ症状
高圧側が上がりすぎる
コンプレッサーに負担がかかる
という 悪い症状のオンパレード。
さらに今回はリヤ側のエキパンを交換しているため、
冷媒ライン全体の流量バランスを整えるためにも
フロントのオリフィス交換はセットでやるのが正解。
つまり、
リヤを新品にしたのにフロントが詰まったままでは意味がない。
冷媒は一本のラインでつながっているので、
どちらか片方だけ新品にすると“冷えの不均衡”が起きる。
というわけで、
交換マン、フロントのオリフィスも新品へ交換して
冷媒ライン全体の流量を正常化しました。
これで フロントもリヤも本来の冷えを取り戻す準備完了。
そして、
真空引きからのエアコンガスチャージを
交換マン、全セルフスタイルで楽しみます!
まずはシステム全体をしっかり真空引きして、
内部の空気と水分を完全に追い出します。
ここを丁寧にやらないと、
冷えが悪くなる・配管が腐食する・コンプレッサーが痛むなど
後々トラブルの原因になるため、
真空引きはエアコン施工の“心臓部”とも言える大事な工程。
真空が安定したら、
いよいよ ガスチャージの儀式 に突入。
画像のように、
ガス缶を 1本1本セルフで付け替えていく交換マン方式。
アキュムタンク、ご覧あれ。この結露、もう 居酒屋のカウンターに置かれたキンキンのメガジョッキ ですよ。
思わず「大将、生大!」って言いたくなるくらい、水滴がポタポタ。ビールジョッキのグラスに結露がつくのと、まったく同じ現象。
でもこれ、ただの水滴じゃありません。エアコン的には 「今日も絶好調です!」 の証拠。
どういうことかというと——
エアコンが本気を出すと、冷媒は車内の熱をゴッソリ吸い取って、冷え冷えの状態でアキュムタンクまで戻ってきます。
このタンクは、「余った液とガスを仕分けして、必要なガスだけコンプレッサーへ届ける」いわば居酒屋の厨房で言うところの “本日の仕込み担当”。
で、ここからが本題。
冷え切ったジョッキにビールを注げば水滴がつく。冷え切ったアキュムタンクに湿った空気が触れれば水滴がつく。それだけのこと。
つまり——
結露がド派手に出てる= アキュムタンクまでしっかり冷えてる= エアコンがフル稼働してる証拠。
冷えてなかったら、水滴なんて一滴も出ません。居酒屋だって、ぬるいジョッキに結露なんてつきませんからね。
「結露 = 故障」じゃない。「結露 = 正常」なんです。
むしろ今日はビールがよく冷えてる……いや、エアコンがよく冷えてるってことです。
交換マン、今日も フルセルフで全快営業です!
えっ!
リヤのエアコン温度が下がらないぞ……?
交換マン、思わず ヒヤリハットしてお漏らししてしまいました!
――と、言いたいところですが、お漏らしはもちろん冗談です。
実際に漏れていたのは交換マンではなく、
エバポレーターの排水でした!
画像の水、あれは
エバポレーターから滝のように流れ出る“正常の証拠水”。
もう勢いがすごい。
まるで車内で
「天然のミニ滝がマイナスイオン全開~!」
と言いたくなるスタイル!
エバポレーターがしっかり冷えて、
空気中の湿気を大量に結露させて、
それがドバドバ排水されている状態。
つまりこれは
冷えている証拠の中でも最上級と言っても良いのでは!
……が!
交換マン、
ヒヤリハットからの滝オチで今日も全開ですが、
リヤエアコンが冷たくならないのは事実!
ここで交換マン、
「あれ?俺、やらかしたか……?」
と一瞬よぎるスリル展開。
滝の勢いは完璧なのに、
リヤだけ冷えないというこのギャップ。
まさに
“冷えのミステリー編・後半戦突入”
という感じ。










