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RODEO HYDRAULICS の日常を、ゆるく、時にはツッコミを交えながら書いています。
作業中のハプニングや、クラシックアメ車ならではのクセ、「なんでこうなるんだ…」というアメ車あるある、そしてお客様とのやり取りや、ありがたい差し入れの話まで、工場の空気をそのまま感じていただけるブログです。
アメ車だけでなく、国産車や他ジャンルの車が登場することもありますが、どの車にも共通しているのは、“触っていて楽しい”“つい笑ってしまう” という RODEO らしい視点。
ちょっとした裏話やぼやきも含めて、気軽に楽しんでいただければ嬉しいです。
2026/09/08(Tue)
時々ブログ N様アストロ商談記パート8 油脂類
とびとび更新で失礼します!
N様アストロ続き編です。
ブレーキフルードのガン吸いをガンガン行います。
ワンマンブリーダーでのガン吸いタイム、開幕です。
さて、ブレーキフルード交換って、本当は2人でやるのが理想的だと私は思っております。
理由は簡単で、ペダル担当とニップル担当が同時に油圧を管理できるから。
つまり、ブレーキの世界にも“阿吽の呼吸”が必要なんですね。
ペダル側は一定の踏力で「踏む・戻す」を正確にやる。
ニップル側は「開ける・閉める」を油圧のタイミングに合わせる。
この2つがズレると、ブレーキラインの中で空気がパーティーを始めます。
クラッカー鳴らして大騒ぎです。
それを止めるには、やっぱり2人の連携が最強。
ただし現実はどうか。
専属の“エア抜きマン”が来てくれれば最高なんですが、
・来ない
・急に予定が入る
・音信不通
・そもそも存在しない
旧車整備の現場はいつも波乱万丈です。
そんな時はワンマンブリーダーの出番。
もうこれはガン吸い祭りです。
ペダルを踏む代わりに負圧でガンガン吸う。
吸って吸って吸いまくる。
まるでブレーキラインの大掃除。
ただしワンマンは油断すると、
マスター液面が下がってABS付きの場合はABSに空気がダイブする
という地獄イベントが発生します。
ここだけは絶対に注意。
理想は2人。
現実は1人。
でも、正しい手順を理解していれば、どちらでも綺麗に仕上がります。
デフオイルを交換していきます。
デフオイルというのは、あの後ろの丸いカボチャみたいな部分の中で働いている、
ギアたちの命のしずくです。
ギアたちは毎日、
「前に進め!」「曲がれ!」「荷物重いぞ!」
とハラスメントに耐え働いています。
そのギアたちを潤しているのがデフオイル。
しかし長年使っていると、
そう、デフオイルは劣化すると
・潤滑力が落ちる
・ギアが熱を持つ
・最悪“ギアが泣く”
という状態になります。
ギアが泣くとどうなるか。
車がこう言います。
「なんか後ろからゴロゴロ音するんだけど?」
そうなる前に交換するのが正しいです。
そして交換作業。
デフカバーを開ける
以前交換しているのですがよごれかかったオイルがドバドバ出てきて、そのデフオイル独特の臭いをガン吸い・・・免税店で香ってる臭いとは真逆の悪臭!
これを新品のキレイなオイルに入れ替えるとデフの中がスッキリして、
走りも静かになり、寿命も伸びて、車もご機嫌。
デフオイル交換は、
ギアたちへの“ご褒美タイム”なんです。
オートマチックトランスミッションオイルを交換するついでに、
フィルターとガスケットもまとめて新品にしていきます。
「ATオイルだけ替えればいいんじゃないの?」
という声もありますが、それはもう完全に“表面だけキレイにする美容整形”みたいなもの。
中身はそのままです。
ATフィルターというのは、
オートマ内部の“ゴミ取り番長”です。
長年働き続けたATの中には、クラッチの摩耗粉や鉄粉などの細かい汚れが必ず溜まります。
それを全部受け止めているのがフィルター。
つまり、フィルターが詰まるとどうなるか。
ATがこう言い始めます。
「油圧?知らん。変速?気分次第。」
結果、変速ショックが出たり、滑ったり、シフトがモタモタしたりと、
まるで寝起きの人みたいな動きになります。
そしてガスケット。
これはオイルパンの“フタのパッキン”。
古くなると硬化して、
「そろそろ漏らしちゃおうかな…?」
と悪さを始めます。
ATオイルだけ替えてフィルターを替えないのは、
例えるなら 「風呂の水だけ替えて、排水口のヘドロはそのまま」 みたいなもの。
そりゃあ流れも悪くなります。
だから今回は、
・ATオイル
・ATフィルター
・オイルパンガスケット
この3点セットでしっかりリフレッシュ。
変速の質感も安定し、ATの寿命も伸びて、車もご機嫌。
やっぱり“セットでやると気持ちいい”です。
デフカバーを外したついでに、
今回は デフカバーの錆取り、サンドブラストも行います。
デフカバーというのは、あの丸いカボチャの“フタ”の部分。
長年の熱・水・泥・塩カルにさらされて、
気づけばこのような感じになってしまうのです・・・
サンドブラストしていきます!
「サンドブラストって何?」という方のために説明すると、
サンドブラストとは “高速で砂をぶつけて錆や汚れを吹っ飛ばす装置” のことです。
もっと分かりやすく言うと…
デフカバーに対する強制エステ
砂「お前の錆、全部落とすからな!」
デフカバー「ちょっ…ちょっと待て!そんな勢いで!?」
こんな感じで、
錆・汚れ・古い塗膜を 一瞬で剥がしてツルッツルにする のがサンドブラスト。
そして毎回言われる“あの一言”
作業していると、必ず誰かがこう言います。
「えっ!レーザー使ってないの?」
「今どきレーザーで錆取るんじゃないの?」
「サンドブラストって昭和の技術じゃないの?」
はい、出ました。
当店に無い物でマウント “レーザー信者のパワハラ発言”。
当店、未だにサンドブラストです。
レーザー?ありません。
最新鋭?ありません。
砂をぶつけて粉塵まき散らしてゴリゴリ落とす、あの原始的なやつです。
原始的な物で錆を取り、まずは“裸状態”にしていきます。
デフカバーをサンドブラストにかけると、
長年の錆・汚れ・塗膜が全部吹っ飛んで、
まるで デフカバーが強制的に丸裸にされる儀式 みたいになります。
そして現れたのは…錆のクレーター
裸にしてみると、
デフカバーの表面には 錆のクレーター がかなりあります。
もう見た目はほぼ
「月面」か「火星の地表」。
でも安心してください。
履いてます・・・
穴は開いていません!強度もまだあります!再利用OKです!
クレーターはあっても、
“致命傷”はないのでこのまま再利用していきます。
サンドブラストしてきます!
世の中は
AIだ、レーザーだ、全自動だ、タイパだ
と騒いでおりますが——
何なんでしょうか、当店は。
最新技術の単語を聞いても、
まず変換がこうなります。
AI=シンガーソングライターの?
レーザー=“レーザラモンHG”?
全自動=“洗濯機”?
タイパ=“タイのパタヤ”?
もうこの時点で最新技術の波に乗る気ゼロです。
そんな当店は、
いまだに セルフ方式の昭和スタイルで、
粉塵をまき散らしながら、
1個1個ボルトに砂を浴びさせるという
“原始の儀式” を続けております。
簡単にすぐ終わるんでしょうと思われがちですが——
タイパ?そんなもの知らん!
という世界線の作業です。
サンドブラストというのは、
「錆が落ちるまで永遠にやり続ける」という
ちょっと拷問みたいな作業。
サンドブラスト完了しましたら青空でエアゾール塗装!
もちろん
・エアゾール方式
・傷拾いしてからの下地塗装
・サフェーサー入れてからの本塗り
・ガン吹き
・ウレタン仕上げ
などなど、
ちゃんとした塗装も対応してますよ!
ただ今回は、
青空の下でサッと仕上げる昭和スタイル。
デフオイルを注入していきます。
今回の仕様オイルは ワコーズ HG……じゃなくて RG6140!
HG(ハードゲイ)じゃありません。
フォ〜!! じゃありません。
レーザラモンでもありません。
純粋に高性能ギアオイルの RG6140 です。
そしてこれを——
手動ポンプで入れていきます!
最新の電動ポンプ?
自動注入機?
そんなものは当店にはありません。
なぁ~にぃ~ やっちまったな! 男は黙って
手動ポンプ
えっ!なんでシングル番入れてんだよ!」
「アストロのメーカー指定じゃないよね!」
「純正じゃないオイル不安なんだけど!」
はい、出ました。カスハラ的な声。
アストロ純正指定は 80W-90 GL-5。
その上で、あえて シングル140(RG6140) を選ぶ理由は
① アストロは重い → 強い油膜が必要
車重があるのでデフの面圧が高い。
→ 高粘度の方が油膜が切れにくい。
② シングル140は“粘度が落ちない”
マルチは走行でせん断されて粘度が落ちる。
シングルはそれが無い。
→ 長距離・山道・荷物満載のアストロに向く。
③ 旧車はクリアランスが広い
年式的にギアの隙間が広め。
→ 高粘度の方が当たりが静かになる。
④ RG6140は“シングルでも冬が重すぎない”
流動点 −17.5℃、100℃粘度 28.2。
メーカー文書より引用してる部分もありますが、特に重い仕様のロ―ライダー車両には適してると思う!
えっ!又何言ってんだよと思われる方はお気に入りのショップさんでお勧めの物を使ってね!
「ATオイルって純正じゃないと不安なんですが…」
「年式が古い車に、今のオイルでいいんでしょうか?」
よくいただく質問です。
当店が古いアメ車のATに使っているのは
ワコーズ ATF プレミアムスペック(ATF P-S)。
理由はこの4つだけです。メーカー引用文あり
① フルシンセティックで“熱に強い”
ATは熱で劣化しやすい部品。
古いアメ車は排気量も車重も大きく、ATが熱を持ちやすい。
→ 熱に強いフルシンセが安心。
② 耐熱性・酸化安定性が高い(公式説明)
夏の高速走行、重い車両、古いAT。
全部オイルに負担がかかる条件。
→ 劣化しにくいオイルは寿命を伸ばす材料になる。
③ 変速が滑らかで、伝達効率も高い
古いATは「変速が渋い」「力が抜ける」などの症状が出やすい。
→ 新鮮で滑らかなATFの方が相性が良い。
④ 幅広い車種に使える(JASO 1A-LV適合)
国産・輸入車問わず幅広く使用可能。
当店でも古いアメ車での使用実績あり。
というより これしか使っていません。
ひとつだけ正確に伝えると…
古いアメ車のATは GMの場合DEXRON系 が指定のことが多いです。
プレミアムスペックは「専用規格名を名乗るタイプ」ではなく汎用設計なので、
車種ごとに適合確認してから使っています。
この確認はすべて当店で行いますので、
お客様が心配する必要はありません。
当店の交換方針
走行距離が多い車は“一気に全量交換”しない場合がある
古いATは内部状態によっては急な全量交換で調子を崩すことがあるため。
→ 数回に分けてきれいにしていく方法も選べます。
走行距離不明車は状況により“一気交換”することもある
→ 車両状態を見て判断します。
交換直後にシールのにじみが出ることがある
経年で硬くなったシールが新油で反応するため。
→ 液面と漏れの点検を必ず行います。
ATF交換だけで燃費やパワーが劇的に上がるわけではない
→ ATを長持ちさせるのは“良いオイルを定期的に交換する積み重ね”。
純正オイルも良い選択肢です。
その上で当店は、
熱に強く、劣化しにくく、幅広く使えるフルシンセのプレミアムスペックが
古いアメ車の使用条件に合っている。
という理由で選んでいます。
けしてワコーズの回し者では御座いません
フォ~
















